精神医学ラボ

休職中の過ごし方について
「マインドフルネス(瞑想)」の活用方法など

 

仕事に行きたくない「どうしても仕事から離れたい」「生活することさえ苦痛でしょうがない」。
そうやって悩み続けた結果、心だけでなく身体が追いつかなくなってしまい、仕事場に行けなくなったり、睡眠や食事がままならなくなったり、布団から起き上がれなくなる・・・そんな状態に陥ってしまうケースがあります。

責任感が強いからこそ自責の念も強くなり、もっと仕事が億劫になってしまう・・・という人も少なくないでしょう。
そんなビジネスパーソンを守るための制度が、「休職」という手段です。

今回は、休職を考えたほうが良いケースから、「休職中の過ごし方」「休職後の心構え」などを中心に解説していきます。
またタイトルの通り、ストレスに弱いという人ほど活用してほしい「マインドフルネス瞑想法」の実践方法も紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

 

どんなときに休職を考える必要があるか

基本的に休職を考えるきっかけというのは多様であり、一概にはいえませんが、

  • うつ病の治療中だが、日常生活を送るのも辛く、仕事中も集中できない
  • 出勤しようとすると足が動かなくなる
  • 全く眠りにつけず、入眠できてもすぐに起きてしまい、日中も常に覚醒しきれない
  • 死にたいという気持ちが沸き上がり、仕事のことを考えるのが苦痛である

といったような状態があれば、休職を考える必要があるでしょう。
これらはほんの一例であり個人個人で理由は千差万別です。仕事そのものが苦痛の場合もあるでしょうし、それとは別の理由で精神状態が悪化したために業務が難しくなる場合も、
休職は個人の権利として認められています。

ストレスや不眠・緊張の強さなどといった精神的不調から実際に出勤できないとか、職務が遂行できないといった不都合が生じることがあります。適応障害やうつ病などに罹患している場合はそれらの精神障害が原因になることもあるでしょうし、自分が気づいていない間に発症しているというケースも存在します。
一度職場に相談してみて、労働環境の調整で負荷を軽くすることで対応できるのであれば対応してもらいましょう。
それでも難しい場合は、精神科や心療内科に相談し、現時点での自分の状況を客観的に判断してもらうことが必要です。休職の必要性についても意見をもらうことが出来ます。

実際に休職をする場合は医師の診断書が必要になるため、仕事の継続が難しいと判断された場合は書いてもらいましょう。

職場から産業医の診察を勧められるパターンもあります。
産業医は、「職場の安全や職場で働く人の健康を守る役割を果たす医師」です。この場合も、医師の診断書があると産業医が意見書の作成する際にスムーズに取り掛かることができるので覚えておくとよいでしょう。

休職中の過ごし方

実際の休職中の過ごし方は以下の通りです。

ステップ1:主治医の診断のもと、医療機関での治療・自宅での療養を行う

医師休職してすぐ(概ね1~2か月)は、医療機関での投薬やカウンセリングなどで治療を進めるのと同時に、自宅で落ち着いてゆっくりします。
とはいっても、心は落ち着いていられないが身体はなかなか動かない、といった人もいるでしょう。休んでいるはずなのに、心がどんどん疲れることもあるかもしれません。
そもそも病院に行くのも億劫だ、という人も多いでしょう。

「今日も何も出来ていない・・・」という自責が生まれたら

今日も何も出来ていない、と考えてしまうときは、「何か一つでもしなければ」と自分に目標を課している時です。
責任感が強い人は、基本的にこのような思考にたどり着くことが大半かと思います。特に、「何もせずに休む」という事自体が自分を責めてしまう悪循環に陥りがちです。

しかしこの時期は「何もせずに休む」ということこそが、復帰に必要なステップだと考えることが重要と割り切りましょう。

もちろん、この時期でも軽い散歩や気分転換になるような軽い作業などは可能な範囲で行うとよいでしょう。
「休め」と言われたので運動はダメなのでは?と思われるかもしれませんが、この場合の休息というのは、

  • 仕事を休む
  • 仕事で関わる人間関係と切り離された生活をする
  • 仕事の責任から一旦離れる

という意味なので、これらの要素とはいったん距離を置くことが必要ですが、運動そのものがダメな訳ではありません。

「頭では分かっていても、仕事のことをどうしても考えて落ち込んでしまう・・・」という方も大丈夫です。先述のとおり誰でも実践できる「マインドフルネス瞑想」をこのページの最後に紹介しているのでぜひ見てみてください。

ステップ2:生活リズムを整え、体力を回復する

少しずつ気力が回復してきた段階で、生活療法といって生活環境の改善を行います。

軽い運動を行う

 

散歩「とにかく休む」時期を経て、体力も少なからず落ちています。1日のうち1~2回散歩に行くとか、ちょっと運動してみることが効果的です。

軽いウォーキングなどの散歩がうつ病の予防・治療に貢献するという研究結果も存在します。
時間や目標を決めてしまうと守れなかったときに落ち込む原因にもなり得るので、可能な範囲で行うようにしましょう。
出来ないとき、「1日1回運動するだけなのに、そんなことも出来ないなんて・・・」と考える場合もあるかもしれません。しかし、毎日継続できなくてもその分復帰が遅くなるとか、そういったことはないのです。
義務感で行うより、とりあえず乗り気でなくても歩けるときは歩いてみて、散歩した後は少し気分がすっきりしている・・・ということを繰り返すだけ良いのだと気楽に考えましょう。

もちろん散歩に限らず、もともと泳ぎが得意だという人は水泳でも良いでしょうし、ダンスやヨガなどでも良いでしょう。自分に向いたアクティブな運動を行うと効果的です。

 

睡眠時間を確保する

運動と共に重要であるのが睡眠です。身体と心、脳が健康に活動するために必要な時間となります。

  • 照明をちょうど良い暗さにする
  • 冷暖房器具を使い、眠りにつきやすい温度設定にする
  • 寝る直前のスマホをやめる
  • カフェインの摂取量を抑える
  • リラックスできるアロマを使う

などの工夫をすることで質の良い眠りが確保できます。

また、日中の運動が質の良い睡眠にも役立ちます。朝早く起きるということが難しくても、明るいうちに外出し日差しを浴びて運動する時間を可能な限り作りましょう。

しかし、夜いろいろと考えてしまって眠れないという人もいるでしょう。医療機関で投薬される睡眠剤などを活用しながら、質の良い睡眠をとるように心がけましょう。睡眠の確保は心身を休めるだけでなく、落ち込み状態からの回復の手助けにもなります。

ステップ3:自分の思考の癖や、働き方について分析する

生活リズムを整え、体力が回復したり活気が少しずつ出てきた段階になります。もちろん、生活リズムが完全に整っていなくても、考える力が以前より出てきたといった場合も当てはまります。
カウンセリングや認知行動療法など、自分に合った内容で“自分の特性”を理解したり、“ストレスへの対処スキル”を身に着けていく段階です。
これらは自分ひとりで進めていくのは難しいため、医療機関のサポートを受けながらステップを踏んでいくことになります。

これらは、復職直前のストレスにうまく対処したり、復職後に再び過負荷にならないようにするための準備期間と考えると分かりやすいでしょう。
自分の特性を知る・また思考の癖を知ることは仕事だけでなく生活全般に役立ちます。ストレス対処スキルに関しても同様です。

ステップ4:職場復帰のための準備段階

上記のステップを経て、最終的に職場復帰に移行していきます。

  • 職場復帰したいというモチベーションが十分にある
  • 通勤が問題なく出来る(心身ともに)
  • 業務に最低限必要な作業が行える(注意力も含めて)
  • 生活リズムが整っている

などといった条件が揃っている段階です。
この頃には活気もある程度戻っていて、睡眠時間の確保や体調管理、心身の疲労回復なども行えている状態です。
いよいよ職場復帰となると緊張が高まりやすい時期でもあるので、不安な面は医師や職場と十分話し合っておくなど工夫が必要でしょう。

実際の復職については、最終的に判断するのは医療機関ですので、復職時期は主治医と相談の上行うようにしましょう。

復帰後のステップ3つ

復帰したら後は仕事に慣れるだけ、とすんなり行くのが一番ですがそういう訳にもいかないでしょう。
“本来の復帰を果たす”までは3つのステップが必要と言われています。

ステップ1:「長欠感情」と向き合う

長欠(ちょうけつ)感情は、簡単に言うと“長期間休職していたときに起こる感情”です。
実際に休職中であれば、

  • 職場の人達はどう伝えられて、どう思っているのだろう
  • 何も役目を果たせていない
  • こんなに休んでいたら、仕事の内容を忘れてしまうのではないか
  • あらぬ噂話をされていないだろうか

といった事を考えるかもしれませんし、職場復帰直後であれば、

  • みんな内心どう思っているのかな
  • 受け答えはちゃんと出来ているだろうか
  • 前と比べてパフォーマンスが落ちていると思われたくないな
  • 人の目が気になって集中できない・・・。

といった内容のことを心に思い浮かべるかもしれません。
見てみると、長欠感情というのは、業務に関することというよりは主に対人関係に対する心労を指すことが分かります。
このように職務内容よりも対人面での不安が多くみられるようになります。
これらの不安は復帰して直後は特に強くなるものです。「人の目を気にしてばかりで疲れる・・・こんなことで本当にやっていけるのかな?」と思っていても、しばらくすると次第に解消されることも多いため、「最初は緊張するものだ」と気長に考えておくとよいでしょう。

ステップ2:「周囲との差」と折り合いをつける

職場復帰をしてすぐは、基本的に職場側が労働環境に配慮して勤務時間を短くしたり、業務内容も軽いものに変えたりなど調整を行うことがほとんどです。
それは身体的・精神的・また時間的に急に負荷がかからないための配慮といえるでしょう。

しかし、特に責任感の強い人が休職に至ることも多いですから、

  • 自分だけ特別に配慮してもらっている
  • 就業時間が短いせいでどうにも能率が悪くなってしまっている
  • 簡単な業務しかできない。他の人は重責を担っているのに・・・

と考えすぎると、「自分はやっぱり役に立てていないのではないだろうか・・・」と余計ストレスが溜まったり業務に集中できなくなるなど堂々巡りになってしまい、ジレンマに陥ることも珍しくありません。

特に復職直後は緊張もあり、勤務時間や労働内容についてはあまり気にならないことが多いですが、復職してしばらくすると人の目にも慣れてきて、代わりに他人と自分の業務内容の違いが目に付くようになってくることがあります。

特別な配慮をしてもらっているのは、特別な配慮が必要な状況にあるだけです。「今は以前とは違う状況下にあるだけ」「完全復帰するための必要なステップ」という考えを持つようにするのがベストでしょう。

ステップ3:パフォーマンスはゆっくり回復していく

「仕事ができる状態」と判断されたということはもちろん素直に喜ぶべきことです。
しかし、元のパフォーマンスに到達するまではやはり時間を要します。長欠感情を乗り越え周囲の目がさほど気にならなくなり、業務内容にも慣れてきた段階までくると、少しずつ休職前と同じようなボリュームの仕事量に戻っていくことになります。
それに伴い、回復量に応じた職責を担うことになるでしょう。

しかし、それと同時に発生するのが、「休職前と現在のパフォーマンスを比較しようとする」心理です。
端的に表現すると、復帰直後は“周囲を気にする段階”、その次に“他人と自分の差を比較する段階”、それを通り過ぎると“休職前の自分と復帰後の自分を比較する段階”に来ると言えば分かりやすいでしょうか。

  • 以前と比較するとどうも調子が悪い
  • 仕事の能率が明らかに落ちた
  • 以前は無かったはずの小さなミスが目立つ
  • 仕事が遅いことで周りに迷惑をかけていないか気になる

といったような場面もあるかもしれませんが、それは自然な現象として捉えておくほうがよいでしょう。復職して2~3か月を過ぎると、職場や業務には慣れてくるころです。しかし能率を発揮できないと、自分自身の能力が落ちてしまったのではないか?と感じてしまいます。しかしこれも、この段階で陥りやすい心理状態であるだけです。

基本的に、パフォーマンスが元に戻るのは復帰してから半年以上過ぎてからと言われています。不安もあるかもしれませんが、職場と話し合える時は自分の意見を伝えつつ、まだ回復段階であるということを職場と休職者双方で理解しておくことが大事です。

ストレスの軽減に役立つ「マインドフルネス瞑想法」

 

マインドフルネス休職中に加え、仕事に強いストレスや不安を感じている人や復職後で大きな不安があるという人にも実践してほしいストレス軽減法があります。それが「マインドフルネス瞑想法」です。

ビジネスやスポーツ界で多くの企業・組織が取り入れ、普及してきたことにより一度は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

マインドフルネスはもともと仏教発祥のものです。つまり、マインドフルネスの概念自体はかなり古くから存在していたことになります。
これに西洋科学を統合させる形で、アメリカのジョン・カバット=ジン博士(Dr. Jon Kabat-Zinn)がマインドフルネス瞑想法という形で体系化させました。
これにより、多くの人々がストレスや痛みといった悩みを軽減できるよう、実践しやすい形となっているのが特徴です。ストレス対処の技術と捉えたほうが分かりやすいでしょう。

ただ「不安なことが多いのに、瞑想に集中なんかできない」という人もいるでしょう。瞑想が何の役に立つのか、ただの“まじない”ではないのか、と懐疑的な意見も聞かれるかもしれませんね。
しかし、そういう不安が強かったり他人からの評価が気になるという人にこそマインドフルネスが適しているともいえます。なぜ不安・ストレスが強い人に適した方法と言われるのか、いくつかマインドフルネスの特徴と共に見ていきましょう。

 

さまざまなストレス軽減効果が実証されている

基本的に、今現在に集中できないというのは、「過去に起きた出来事や、これから起こる未来に対して集中しているから」とも言えます。
そういう状態のことを「マインドレスネス」と呼びます。
意識が今ここに無い状態であるマインドレスネスとなり心配や悩みを心の中で繰り返し反芻(はんすう)させることは、精神疾患や精神障害の発症を引き起こす一つの要因とされています。しかし、マインドフルネスがその反芻を減らすのに効果的であるという研究結果が複数存在します。

その結果うつ病の症状や抑うつ状態といった落ち込みを軽くする効果があったり、ストレスを軽減させる効果があるのです。

脳の構造を変える効果がある

「脳の構造そのものを変える」というととても大げさな表現のように感じますね。
しかし実際にMRIなどの機器を用いた検査で、マインドフルネスには特定の脳の部位の大きさが変わったり、活動を変化させる効果が明らかになっています。

「前・後状帯皮質」と呼ばれる注意力や感情のコントロールに関わる脳の部位、また同じく感情調節や記憶・学習に関わる「海馬」の活動が強くなったり、大きさに変化が出るといった研究結果もあります。
また、ストレスを抱えていたり物事をネガティブに捉えやすい人というのは、扁桃体と呼ばれる部分が過活動を引き起こしやすいと言われています。これは扁桃体が慢性的に反応を繰り返してしまいネガティブなイベントが起こらなくても常に悲観的になってしまう仕組みを作り上げているというわけです。
より多くのトラウマ体験をした人についても、扁桃体が過剰に反応することも研究で明らかになっています。

さらに扁桃体が興奮していると交感神経も過活動になり、血圧や心拍数を上げたりと体の臓器にも負担をかけます。ストレスホルモンの分泌も促進するため、これだけでも扁桃体の過活動がストレスと直結するのは容易に想像できますね。

マインドフルネスはこの扁桃体の過活動も抑制し、落ち着かせる役割を果たします。その結果、ストレスを感じにくい、ストレスを感じても落ち着いて対処できる心を身に着けることが可能になるのが大きなメリットです。

このように心理的効果のみならず、脳科学の観点からも注目され研究が盛んに行われているのがマインドフルネスの大きな特徴です。

「雑念」が現れてもよい

“瞑想”ということで誤解を招きやすいのですが、マインドフルネスは「雑念は許されず、何もなくただ今に集中すること」「心をとにかく無にすること」ではありません。

マインドフルネスでは「呼吸」に集中することを基本とし、呼吸に集中できなくなった場合も、それに“気づき”、再び呼吸に意識を戻すことを繰り返すという作業になります。
人の心はとても移ろいやすく、集中していても意識がどこそこ飛んでいってしまうのが常なのです。

姿勢も「あぐらをかく」「椅子に座る」ものから「横になって行う」ものまで様々であり、マインドフルネスが普及した背景には、こうした誰もが実践できるように開発されているという点も理由として挙げられるでしょう。
また、1日1分〜3分からでも構いません。継続することが大事であって、集中の時間は継続すれば少しずつ伸びていくのでまずは続けることを目標にしましょう。

マインドフルネスの実践方法

それでは、マインドフルネス瞑想の方法を簡単にご紹介していきます。

1:姿勢を整え、楽に呼吸する

あぐらでも椅坐位でも、できるだけ背筋は伸ばしたほうがよいとされていますが、まずは概要をざっくり捉えるために楽な姿勢で行ってもらえれば大丈夫です。

現代人はスマホの普及などにより前かがみでいる姿勢のため肺が圧迫されている機会が多かったり、緊張状態にあったりして深い呼吸が出来ない人が多いです。そのため、浅い呼吸であればそのまま浅い呼吸でも構いません。息を吸い、吐くという行為にまず集中します。

吸って、吐く。吸って吐く・・・ということを繰り返しているうちに、まったく違うことを考え始めるかと思います。人間の思考というものは、どれだけ雑念を振り払おうと思っても、どんどん不安なことや雑念が沸きあがってくるものです。それが自然なことでもありますね。

  • 今日は上司の言い方が少し冷たかった気がする
  • 報告をしないといけないけど、言葉がうまく出てこないかもしれない
  • 明日は何かミスをしたらどうしよう
  • あの時、ああ答えていれば結果はもっと良いものになったかもしれない

といったような過去や未来に対する考え事から、

  • お腹が今日は張っているな
  • 首元がかゆくなってきたな
  • 外から車の音が聞こえるな

といった身体感覚に対しても色んな思考が出てくるはずです。そしてその思考の数は、無数になるでしょう。
そこでもっとも大事なのは、「雑念を消そうとする」ことではなく「雑念が気になったとしても、そこから呼吸に注意を戻すことができる」ということです。

落ち着かないときは落ち着かないときで、「ソワソワ」といったようなラベリングをすることで、呼吸に意識を戻します。
呼吸からまた注意がそれたり違うことが思い浮かんだら、その思い浮かんだ雑念に対してラベリングをしていきます。

  • 雑念
  • 明日の予定
  • 過去
  • 思い出
  • イメージ

ラベリングをしたら、「イメージ、イメージ、イメージ・・・」「過去、過去、過去・・・・」と名称を心で何度も実況します。無理やり雑念を消そうとするのではなくあえてラベリングした単語を反復して唱えることで、処理をしたものとして勝手に消えやすくなります。
再び呼吸に意識を戻しやすくする作業だと思うと良いでしょう。

もちろん、最初はうまくいかないこともありますし、集中できない日もあるでしょう。そういう日は「そういう日もある」とそのまま受け止めつつ、継続することが必要です。
脳の構造が変わるまでには8週間継続することが大事と言われています。

マインドフルネスを続けることで、他の思考が浮かびつつも「今、ここにあること」への意識を取り戻すことができ、雑念や不安を反すうする必要が無くなってきます。
心の筋トレと言われる所以ですね。

まとめ

「完全な休息」や「投薬治療」、「生活療法」など、ステップごとに必要な作業を組み込みながら少しずつ自分にとって必要なエネルギーを蓄えていくことが大事だというのは理解していただけたかと思います。

しかし休職中に「仕事のことを気にしないようにしましょう」「今はそういう時期だと思って割り切りましょう」と言葉で言われても、なかなか実践するには大変なことも多いでしょう。当然、復職してからも業務内容で気がかりなことが出来たり、対人面で疲れてしまうと生活環境が乱れやすくなったり、日常生活でも不安になったりすると余計に「割り切る」とは程遠い心理状態になりがちです。

都度、医療機関・職場にサポートしてもらったり、紹介したマインドフルネスの実践も交えながら、ストレスに適切に向き合う力をつけていきましょう。

監修

新橋メンタルクリニック
院長 狩野 彰宏

「メンタルケアで全ての人が今よりも生きやすく輝ける未来を目指して」

明るい未来を紡ぐために、当院は一心一意に皆様の心に寄り添ってまいります。
心のお悩みや困りごとがありましたら、どうぞ何なりとお問い合わせをくださいませ。

院長

「メンタルケアで全ての人が今よりも生きやすく輝ける未来を目指して」

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